ゆふいん賀莚余談―目録の書き方―
2008年 11月 27日
兄弟!
おーちゃわと沼っちゃんの結婚式がとうとう明後日に迫った。思えば三年前、嫌々乍飛行機に押し込まれ未知なる湯布院で漂泊した私が、今では其処の慶事に呼ばれている……。不思議と云えば不思議だけど、最近では斯くの如く為るべきして成ったのでは、と思える私自身が不思議な気もする。先日も一寸用事があって愼ちゃんへ電話をしたら
「こっち来るのは解っちょう。でな、おーちゃわの結婚式の前日、俺引っ越しするんやわ。お前に手伝って貰うわ」
と有無も云わさない。呵呵。それにギターの貴公子異、Fユキ君からは
「実は僕、おーちゃわさんの結婚式の翌日、アルテジオで弾くんです。来て呉れますよね」
頼むよ、あんちゃん、何て言われちゃ行かざあなるまい。どうも私の居ない処で、私の予定が立っている。これも『ゆふいんの風』の霊験故か。
お目出度いなら何処までもお目出度く為るに如かず。我等が親愛なる軍師殿の婚礼ならば、と佃の大師匠并お内儀を筆頭に、東都と難波の兄弟姉妹親類縁者からは陸続として御祝が寄せられた。全く有難い限りで、有難い丈に只それを纏めて贈っても芸がない。そうだ、皆様の御芳名を連ねた目録をそれに添えようじゃないか、と思い立った。
本朝に於いて、慶事で進上する目録は大高檀紙を用いるのが故実である。檀紙とは楮を厚く漉いた、表面にしぼのある高級紙で、特にその大判のものをこう呼ぶ。
平安朝以来、朝廷に差し出す書類は必ずこれを用い、又、主上の御宸筆にも共される。この様に由緒正しき紙乍、紙面が凸凹しているので大変に書きにくい(このしぼが施される様になったのは元禄時代以降らしい)。そこで掛紙を大高檀紙にして中身は大奉書にする事にした(これも故実也)。これも楮を原料にした厚手の高級紙で、時代劇等で「御上意」と示される書状は遍くこの料紙を以てする。因みに、その全面を使って書かれたのが「御墨付」や「老中奉書」と呼ばれる最上格の書札礼であり(懸紙は共紙にする)、略式辞令や私信には半分に切って用るので「切紙」と言う。又、この「切紙」を繋げたものが「巻紙」。
さて、折角だから目録の書き方を御伝授致そうか。
①先ず、料紙の輪を下にして横二つ折りにする
②それを三つ折りにする
(上の画像は飽くまで一例に示したのみ。他意は無いことにしておきます。呵呵)
③向かって右中央の『目録』と大書し
④中央に贈る品名、左脇に日付を書く
⑤左には贈る側の名前、そしてその脇に宛名を書く
これで書状は整った。次に懸紙。
①懸紙の中央に書状を置き、左、右の順序で包む
②上下を折り、上部に『目録』と表書きし、その下に贈り主の名前を書く
③熨斗をつけ
④水引を懸ける(この結び方は又今度ね)
はい、よくできました。呵呵。
これに添える肝心の金包はこれ。
例の大高檀紙を仕様しているのがお解りになりますかな。この金包も一寸としたもので、東都日本橋、紙問屋の老舗『榛原』で求めた伝統の逸品。水引で松をあしらってあるが、この他にも鶴亀を象ったものや、お目出度い飾り物を附けたものもある。本格、本式に拘る吾が心意気、ご理解頂けますや否や。呵呵。
皆様の真心を不肖アンバサダー、謹んで新郎新婦にお届けいたしますぞ。
おーちゃわと沼っちゃんの結婚式がとうとう明後日に迫った。思えば三年前、嫌々乍飛行機に押し込まれ未知なる湯布院で漂泊した私が、今では其処の慶事に呼ばれている……。不思議と云えば不思議だけど、最近では斯くの如く為るべきして成ったのでは、と思える私自身が不思議な気もする。先日も一寸用事があって愼ちゃんへ電話をしたら
「こっち来るのは解っちょう。でな、おーちゃわの結婚式の前日、俺引っ越しするんやわ。お前に手伝って貰うわ」
と有無も云わさない。呵呵。それにギターの貴公子異、Fユキ君からは
「実は僕、おーちゃわさんの結婚式の翌日、アルテジオで弾くんです。来て呉れますよね」
頼むよ、あんちゃん、何て言われちゃ行かざあなるまい。どうも私の居ない処で、私の予定が立っている。これも『ゆふいんの風』の霊験故か。
お目出度いなら何処までもお目出度く為るに如かず。我等が親愛なる軍師殿の婚礼ならば、と佃の大師匠并お内儀を筆頭に、東都と難波の兄弟姉妹親類縁者からは陸続として御祝が寄せられた。全く有難い限りで、有難い丈に只それを纏めて贈っても芸がない。そうだ、皆様の御芳名を連ねた目録をそれに添えようじゃないか、と思い立った。
本朝に於いて、慶事で進上する目録は大高檀紙を用いるのが故実である。檀紙とは楮を厚く漉いた、表面にしぼのある高級紙で、特にその大判のものをこう呼ぶ。
平安朝以来、朝廷に差し出す書類は必ずこれを用い、又、主上の御宸筆にも共される。この様に由緒正しき紙乍、紙面が凸凹しているので大変に書きにくい(このしぼが施される様になったのは元禄時代以降らしい)。そこで掛紙を大高檀紙にして中身は大奉書にする事にした(これも故実也)。これも楮を原料にした厚手の高級紙で、時代劇等で「御上意」と示される書状は遍くこの料紙を以てする。因みに、その全面を使って書かれたのが「御墨付」や「老中奉書」と呼ばれる最上格の書札礼であり(懸紙は共紙にする)、略式辞令や私信には半分に切って用るので「切紙」と言う。又、この「切紙」を繋げたものが「巻紙」。
さて、折角だから目録の書き方を御伝授致そうか。
①先ず、料紙の輪を下にして横二つ折りにする
②それを三つ折りにする
(上の画像は飽くまで一例に示したのみ。他意は無いことにしておきます。呵呵)
③向かって右中央の『目録』と大書し
④中央に贈る品名、左脇に日付を書く
⑤左には贈る側の名前、そしてその脇に宛名を書く
これで書状は整った。次に懸紙。
①懸紙の中央に書状を置き、左、右の順序で包む
②上下を折り、上部に『目録』と表書きし、その下に贈り主の名前を書く
③熨斗をつけ
④水引を懸ける(この結び方は又今度ね)
はい、よくできました。呵呵。
これに添える肝心の金包はこれ。
例の大高檀紙を仕様しているのがお解りになりますかな。この金包も一寸としたもので、東都日本橋、紙問屋の老舗『榛原』で求めた伝統の逸品。水引で松をあしらってあるが、この他にも鶴亀を象ったものや、お目出度い飾り物を附けたものもある。本格、本式に拘る吾が心意気、ご理解頂けますや否や。呵呵。
皆様の真心を不肖アンバサダー、謹んで新郎新婦にお届けいたしますぞ。
by yufuin-brothers | 2008-11-27 02:17 | 風の回覧板