憲法の前文は決して「漢文」ではありません
2008年 03月 23日
兄弟!
先日、大学オーケストラ時代の後輩……と云っても今やその別なく、同朋の如き交わり
をしている某君と夕食を共にした。彼は或る代議士先生の秘書としてその辣腕を遺憾無く
発揮しているチェリストで、未だ卯建の上がらぬ旧学生指揮者よりは余ほど偉い。過日も
赤阪の議員宿舎を見物させて呉れたり、仕える代議士先生の公用車に私を乗せて面白
がったりする機知に富んだ好漢である。
過夕も一件の中華料理屋の座敷に神輿を据え、彼は米飯にお茶、私は米の水を共とし
て一品料理を突っ突き乍四方山の話に興じていると
「アンバサダーさん、日本国憲法の前文って何であんなに漢文じみているのでしょうか」
と、飛んでもない事を言い出した。
「貴君。あれは立派で格調高い口語体であり、断断呼として文語、強いては漢文ではない
ぞ」
「でも、若年層の国語力の低下が原因で、アンバサダーさんにしたら左右でないかも知れ
ませんが、現代のニ十代にとって難解なのは確かです。国政に多少なりとも携わる私でさ
え左右思えるのですから。でも、確かに云わんとしている処は解りますよ。然し、一言一句
疎かにしないで全てを理解するのは……」
何だか説教じみて嫌なのだが、一つ二つしか年が違わない某君から斯く云われては仕方
がない。では、その難解だとされた日本国憲法前文の一部をみなさんに御読み頂こう。
日本国憲法 前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらと
われらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由
のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないよ
うにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定す
る。(以下省略)
是の何処が難解なのだろうかと改めて思う。多分、某君が云う「漢文」とは、漢字だらけの文
章のことを指しているのだろう。その顰に倣うのであれば私が茲で弄んでいる駄文なぞ正に
其れであろうし、是をご覧の兄弟姉妹、親類縁者の方々にしてみれば私が膝下へお届けし
て居る卑書に比べればこっちの方が随分と読み易いよ、とお思いになるでしょう。因みに我
が蕪辞を憲法前文と比較して貰う為に其の通例を示さば
謹啓
梅花繽紛たる折御尊台様には益益御清穆に御過しと拝察致し心底より慶賀申し上げま
す先日は御尊地に御邪魔を致し色々と御厚志を賜りましたる段誠に恐惶至極と存じ臥
して篤く御礼申し上げる次第に御座居ます……(以下省略)
さて皆々様、どちらが某君が曰しめる所の「漢文」じみていますでしょうか。先日、おー
ちゃわが東都へ来たのは御案内の通りですが、其の際、私が差し出す手紙に就いて「御
願いだから」という前置きの元、改善希望がありました。呵呵。
一、句読点を附けて欲しい
ニ、俺は学生時代から漢文が苦手で少々トラウマがあるから、漢字と片仮名丈
は勘弁して欲しい
三、読めない漢字は避けて欲しい
扠(さて、と読む。これがいけないのでしょうな。呵呵)、おーちゃわが示した以上三点をし
て憲法の前文を省みれば、此の一つとして該当している処はない筈です。なのに何処か
「漢文」なのか……私には全く理解が出来ません。全く某君が云う様に若年層の国語力低
下の何者でもないのではと思わざるにはいられないのです。然しですな、決して私が名文
を草してるとは罷り間違っても宣言している積りは毛頭ありませんので誤解されませね様
に。寧ろ悪文で親愛なる皆さんを煩わせている、と認識はしているのですが……。呵呵。
願わくば、此れを期に今一度、日本国憲法の前文たりとも読み返して頂ければ幸いです。
嗚呼、又酔っ払いの戯言をお聞かせいたしましたな。何卒御容赦々々々。
先日、大学オーケストラ時代の後輩……と云っても今やその別なく、同朋の如き交わり
をしている某君と夕食を共にした。彼は或る代議士先生の秘書としてその辣腕を遺憾無く
発揮しているチェリストで、未だ卯建の上がらぬ旧学生指揮者よりは余ほど偉い。過日も
赤阪の議員宿舎を見物させて呉れたり、仕える代議士先生の公用車に私を乗せて面白
がったりする機知に富んだ好漢である。
過夕も一件の中華料理屋の座敷に神輿を据え、彼は米飯にお茶、私は米の水を共とし
て一品料理を突っ突き乍四方山の話に興じていると
「アンバサダーさん、日本国憲法の前文って何であんなに漢文じみているのでしょうか」
と、飛んでもない事を言い出した。
「貴君。あれは立派で格調高い口語体であり、断断呼として文語、強いては漢文ではない
ぞ」
「でも、若年層の国語力の低下が原因で、アンバサダーさんにしたら左右でないかも知れ
ませんが、現代のニ十代にとって難解なのは確かです。国政に多少なりとも携わる私でさ
え左右思えるのですから。でも、確かに云わんとしている処は解りますよ。然し、一言一句
疎かにしないで全てを理解するのは……」
何だか説教じみて嫌なのだが、一つ二つしか年が違わない某君から斯く云われては仕方
がない。では、その難解だとされた日本国憲法前文の一部をみなさんに御読み頂こう。
日本国憲法 前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらと
われらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由
のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないよ
うにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定す
る。(以下省略)
是の何処が難解なのだろうかと改めて思う。多分、某君が云う「漢文」とは、漢字だらけの文
章のことを指しているのだろう。その顰に倣うのであれば私が茲で弄んでいる駄文なぞ正に
其れであろうし、是をご覧の兄弟姉妹、親類縁者の方々にしてみれば私が膝下へお届けし
て居る卑書に比べればこっちの方が随分と読み易いよ、とお思いになるでしょう。因みに我
が蕪辞を憲法前文と比較して貰う為に其の通例を示さば
謹啓
梅花繽紛たる折御尊台様には益益御清穆に御過しと拝察致し心底より慶賀申し上げま
す先日は御尊地に御邪魔を致し色々と御厚志を賜りましたる段誠に恐惶至極と存じ臥
して篤く御礼申し上げる次第に御座居ます……(以下省略)
さて皆々様、どちらが某君が曰しめる所の「漢文」じみていますでしょうか。先日、おー
ちゃわが東都へ来たのは御案内の通りですが、其の際、私が差し出す手紙に就いて「御
願いだから」という前置きの元、改善希望がありました。呵呵。
一、句読点を附けて欲しい
ニ、俺は学生時代から漢文が苦手で少々トラウマがあるから、漢字と片仮名丈
は勘弁して欲しい
三、読めない漢字は避けて欲しい
扠(さて、と読む。これがいけないのでしょうな。呵呵)、おーちゃわが示した以上三点をし
て憲法の前文を省みれば、此の一つとして該当している処はない筈です。なのに何処か
「漢文」なのか……私には全く理解が出来ません。全く某君が云う様に若年層の国語力低
下の何者でもないのではと思わざるにはいられないのです。然しですな、決して私が名文
を草してるとは罷り間違っても宣言している積りは毛頭ありませんので誤解されませね様
に。寧ろ悪文で親愛なる皆さんを煩わせている、と認識はしているのですが……。呵呵。
願わくば、此れを期に今一度、日本国憲法の前文たりとも読み返して頂ければ幸いです。
嗚呼、又酔っ払いの戯言をお聞かせいたしましたな。何卒御容赦々々々。
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by yufuin-brothers | 2008-03-23 00:47 | アンバサダー随感録