気紛れ連載『べト7の森』 第1回
2007年 03月 30日
兄弟!
久しぶりのツネ吉どんより、ゆふいんからの花便り。有り難う!!
こちら、東都の桜も一斉に開花し、今週末は御花見の酔狂連が川縁や、公園
内に大挙する……何があってもこの時期は太平楽。お目出たいなら、何処までも
お目出たい方がいい。但、公共の場でのマナーだけは遵守あってしかるべしぞ、
皆の衆。
さて、最近は『のだめカンタービレ』という漫画が話題になっている様だ。アマオ
ケの飲み会でもそんな話しがちらほら聞こえて来る。何でも、その中で、ベートー
ベンの第7交響曲が出てきてどうのこうの。『のだめ』ブームに乗って、現実世界
でもそのCDが売れているんだってね。ちぇ、っと思うが、まあ良いことにしよう。名
もなき一音楽ファンが声高にその理非を訴えた処で仕方がないし、どんな形であ
れ、今まで多くの人が、ベートーベン=『運命』と、オオム返しに云っていたのに変
化が出てきたのならお目出たい。嫌味に聞こえるかも知れないが、半ば本気でそ
う思っている。後は軽薄な“流行”とはいえ、それを切掛けとして、一人でも多くの
人がコンサート・ホールに自ら出向き、他人が創ったものでない、各自各様の“音
楽感”を持ってくれることを切に願う今日この頃。
前置きが長くなった。若しかしたら当のアンバサタもそのブームに乗っているの
かもしれないが、自宅にあるベートーベン交響曲第7番イ長調作品92のCDを引
っ張り出し、埃を払うがてら聴いてみることにしようか。ごそごそごそ………。
酔眼を凝らして捜索出来た同曲のCD十数枚。それを前に改めて思えらく。
「モノラル録音ばっかりじゃねーか!」
デジタルなんぞは本当に希少。ステレオでさえ云わずもがな。なんだろね、この家
は(笑)。でもどんな音響でも、矢張り凄いものは凄い。じゃ、その内の何枚かを兄
弟・姉妹にご紹介しましょう(レコード会社とディスクナンバーは略。詳しく知りたい方
はアンバサタまでお問い合わせを)。
①O・クレンペラ―指揮/ニュー・フィルハ―モニア管弦楽団(Live・1966年)
立派な建物や、聳え立つ山姿を仰ぎ見ると、自然と「すげーなー」って思うでしょ
?そんな演奏なんです。
オーケストラの中って一番多い楽器は弦楽器だっていうのは知っているよね。
例えば第一Vnのパートは12人から多くて16人ぐらいで一つの音を弾きます。一
方、木管、例えばフルートやオーボエは大概二人。それも二つのパートに別れるこ
とが大半なので実質一人で演奏している。だから、合奏になると弦の音に木管は
消されてしまうことが多のだけど、この演奏はきちんとその音が聞こえるのだよ。じ
ゃ、弦が音を抑えているのか、というとそうじゃない。簡単に言えば、木管がきちん
と響くように弦の音を統制している(あんまり簡単じゃないよね。笑)。つまり、弓の
何処の部分で弾くか、とか、ヴィブラートはどの様にするかという細かい部分まで
指揮者の意向が行き届いているということ。これはとっても、恐ろしいぐらい大変な
事なのであります。
1885年生まれのクレンペラ―。この演奏当時、何と81歳!そんなジジイがここ
まで計算尽くされた音を聴かせている。音一つとってもそうなんだがら、それが集
まって出来る旋律のフレージング(歌いまわし)は見事としか云いようがない。全て
が融合して響く音楽はまるで石を一つひとつ積み上げて創った壮大な大聖堂の様。
老人パワーをただただ拝聴し、凄ぇなー、と感嘆を洩らすアンバサタなのでした。
これからも気が向いたり、書くネタに詰まったり(笑)したら連載していく積りです。
予告としては(飽くまでも)……
・C・シューリヒト指揮/ヴィ―ン・フィルハーモニー管弦楽団(Live・1956年)
・T・ビーチャム卿指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(スタジオ録音・1959年)
・K・テンシュテット指揮/北ドイツ放送交響楽団(Live・1980年)
等など。お楽しみに!
久しぶりのツネ吉どんより、ゆふいんからの花便り。有り難う!!
こちら、東都の桜も一斉に開花し、今週末は御花見の酔狂連が川縁や、公園
内に大挙する……何があってもこの時期は太平楽。お目出たいなら、何処までも
お目出たい方がいい。但、公共の場でのマナーだけは遵守あってしかるべしぞ、
皆の衆。
さて、最近は『のだめカンタービレ』という漫画が話題になっている様だ。アマオ
ケの飲み会でもそんな話しがちらほら聞こえて来る。何でも、その中で、ベートー
ベンの第7交響曲が出てきてどうのこうの。『のだめ』ブームに乗って、現実世界
でもそのCDが売れているんだってね。ちぇ、っと思うが、まあ良いことにしよう。名
もなき一音楽ファンが声高にその理非を訴えた処で仕方がないし、どんな形であ
れ、今まで多くの人が、ベートーベン=『運命』と、オオム返しに云っていたのに変
化が出てきたのならお目出たい。嫌味に聞こえるかも知れないが、半ば本気でそ
う思っている。後は軽薄な“流行”とはいえ、それを切掛けとして、一人でも多くの
人がコンサート・ホールに自ら出向き、他人が創ったものでない、各自各様の“音
楽感”を持ってくれることを切に願う今日この頃。
前置きが長くなった。若しかしたら当のアンバサタもそのブームに乗っているの
かもしれないが、自宅にあるベートーベン交響曲第7番イ長調作品92のCDを引
っ張り出し、埃を払うがてら聴いてみることにしようか。ごそごそごそ………。
酔眼を凝らして捜索出来た同曲のCD十数枚。それを前に改めて思えらく。
「モノラル録音ばっかりじゃねーか!」
デジタルなんぞは本当に希少。ステレオでさえ云わずもがな。なんだろね、この家
は(笑)。でもどんな音響でも、矢張り凄いものは凄い。じゃ、その内の何枚かを兄
弟・姉妹にご紹介しましょう(レコード会社とディスクナンバーは略。詳しく知りたい方
はアンバサタまでお問い合わせを)。
①O・クレンペラ―指揮/ニュー・フィルハ―モニア管弦楽団(Live・1966年)
立派な建物や、聳え立つ山姿を仰ぎ見ると、自然と「すげーなー」って思うでしょ
?そんな演奏なんです。
オーケストラの中って一番多い楽器は弦楽器だっていうのは知っているよね。
例えば第一Vnのパートは12人から多くて16人ぐらいで一つの音を弾きます。一
方、木管、例えばフルートやオーボエは大概二人。それも二つのパートに別れるこ
とが大半なので実質一人で演奏している。だから、合奏になると弦の音に木管は
消されてしまうことが多のだけど、この演奏はきちんとその音が聞こえるのだよ。じ
ゃ、弦が音を抑えているのか、というとそうじゃない。簡単に言えば、木管がきちん
と響くように弦の音を統制している(あんまり簡単じゃないよね。笑)。つまり、弓の
何処の部分で弾くか、とか、ヴィブラートはどの様にするかという細かい部分まで
指揮者の意向が行き届いているということ。これはとっても、恐ろしいぐらい大変な
事なのであります。
1885年生まれのクレンペラ―。この演奏当時、何と81歳!そんなジジイがここ
まで計算尽くされた音を聴かせている。音一つとってもそうなんだがら、それが集
まって出来る旋律のフレージング(歌いまわし)は見事としか云いようがない。全て
が融合して響く音楽はまるで石を一つひとつ積み上げて創った壮大な大聖堂の様。
老人パワーをただただ拝聴し、凄ぇなー、と感嘆を洩らすアンバサタなのでした。
これからも気が向いたり、書くネタに詰まったり(笑)したら連載していく積りです。
予告としては(飽くまでも)……
・C・シューリヒト指揮/ヴィ―ン・フィルハーモニー管弦楽団(Live・1956年)
・T・ビーチャム卿指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(スタジオ録音・1959年)
・K・テンシュテット指揮/北ドイツ放送交響楽団(Live・1980年)
等など。お楽しみに!
by yufuin-brothers | 2007-03-30 02:58 | 音楽よもやま話