アンバサダー、指揮台へ
2009年 04月 28日
兄弟!
世界中のゆふいん兄弟姉妹の皆様、ご無沙汰いたしております。
本来ならば、先日帰郷致しましたその報告をするのが筋ですが…済みません、もう少々お待ち下さい。その代わり、と言ったら罰が当たるかも知れませんが、来る5月2日にアンバサダーが三文指揮者へ変貌する、そのご案内をさせて頂きます。呵呵。
実は、私は大学時代、母校の交響楽団で学生指揮者をしておりました。学生指揮者、なんて耳障りがいい様ですが、その本義は単なる練習指揮者、謂わばコレペティトゥーア、詰まる処の「下振り」指揮者…。でも、小さい頃から本格的な音楽教育を経ていない音楽好きが指揮台に立つ様になったのですから、空前絶後の大出世でありましょう。その間は色々と厳しい面もあり、辛かったりしましたが、然し、その魅力へ衝きに憑かれ、結局、5年間も大学に居りましたとさ。呵呵。あれから幾星霜。偶さか指揮棒を持つことはあっても、正式にお客の前で演奏の一端を担うことはありませんでした。
そんな中、懇意にして貰っている大学オケの先輩から、お前さん、指揮しないかい、と誘われたのが去年の師走。否も応もなく、二つ返事のほほいのほいで快諾し、早速、銀座のヤマハ楽器店で演奏曲、モーツアルトの交響曲24番の総譜を購入たのは良いけれど…。天才モーツアルトが17歳にして書いたこの曲は、無垢にして純粋。スコアを読み進める内に
「私の様な凡夫が、この清純な世界を…」
と当惑し、どうやって取り組んだら良いか悩む程でした。そんな中、親愛なる兄弟、浪速のクレイダーマン異、かいやんに相談すると
「そんな事云ったら、だれもモーツアルトを演奏出来なくなるで。アンバサダーやんの演りたい様に演ればええやん」
「そうかね」
「そうやで。処で、アンバサダーやんは燕尾服、持ってるん」
「ないよ」
「だったら、僕の貸そうか」
「いいよ、お前の大切な舞台衣装じゃないか。汚したら申し訳ないし」
「クリーニング屋の息子の癖に、何云ってるの。ははは」
「でもさ」
「兎に角、僕のを送るわ。着られるかな」
数日後、かいやんの燕尾服が届けられました。早速、しっぽが附いた上着を羽織ってみると、不思議な程、ぴったり。流石にズボンは…と思い、諦めていましたが、さっき履いてみたら、あれ、何とかなるじゃない。呵呵。但し、白いチョッキはどうしても駄目で、これは私ので代用することにしました。これで本番はかいやんと一緒に舞台を踏むことになり、百人力、いや、千万の友軍を得た心持ち…怖い物は何もない、だって兄弟がぴったり寄り添って呉れるのですもの。
見掛けだけ整えても、音楽の女神は決して微笑んで呉れません。兎に角、楽譜をどれだけ勉強するかが肝要になります。偉そうな事を言えた義理ではありませんが、楽譜を勉強するという事は、決してそれを暗記する訳ではなく、その過程で如何に『自分の音楽』を創り出せるか、が大切なのだと思います。左右でなければ対峙している曲と自らが同化できなし、就中、左右しなければ40名からなるオーケストラの前に立つ資格なぞない、と私は常に考えています。はっきり云って、一夜漬けの勉強指揮台に立つなんて、奏者に対して無礼極まりない…奏者は楽器を一生懸命に練習をし、指揮者はそれと同じくらい、否、それよりももっと多くの時間を費やして、楽譜と向かい合う。それでこそ、指揮者と奏者ががっぷり四つに組んでの音楽が出来るのです。
目下、本番一週間前。先日の練習後、尊敬する先輩に
「先輩、どうでしょうか」
「うん、いいんじゃないかな。やっとこれでお客に聴いて貰える」
「先輩方のお陰です」
「ははは。でも、入場料位の演奏かは、まだ疑問だけどな。ふふふ」
「どうぞ、お手柔らかに…」
「でも、良くやってるよ、お前は」
普段から、音楽に厳しいその先輩の言を信じ、残り少ない練習に只管邁進あるのみ。
何たってアマチュア楽団ですから、指揮者だからといって指揮者だけやってはいられません。時にはチラシを作り、それを挟み込みに行ったり、チケットをデザインしたり、プログラムを編集したり。確かに骨の折れる事許ですが、これも音楽の神様に振り向いて欲しいその一念と、みんなで良い音楽を演り、美味いお酒を飲みたい、と云う気持ちが私を突き動かしています。
さて、5月2日、幕後のお酒なる味や如何に。
前置きが長く成りましたが、演奏会のご案内を。
日時 2009年5月2日(土・祝) 18時開演
場所 武蔵野市民文化会館小ホール
曲目 モーツアルト作曲 交響曲24番 変ロ長調 Kv182(166c)
バッハ作曲 管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067
フルート・ソロ 源中佐記
モーツアルト作曲 交響曲40番 ト短調 Kv550(第一版)
管弦楽 CMSチェンバーアンサンブル
指揮 尾花勉(24番)・中野英水
※これをご覧の皆様で、この演奏会にお越しになりたい方は全て、漏れなくご招待申し上げます。呵呵。ご 希望の方はお手数ですが
oui-vuitton.paris@tcat.ne.jp(尾花)
へ、お名前とチケットの枚数をお知らせ下さい。当日預かりのチケットをご用意致します。
嗚呼、兄弟姉妹よ。どうかこの三文指揮者の成功を祈っていておくれ。
世界中のゆふいん兄弟姉妹の皆様、ご無沙汰いたしております。
本来ならば、先日帰郷致しましたその報告をするのが筋ですが…済みません、もう少々お待ち下さい。その代わり、と言ったら罰が当たるかも知れませんが、来る5月2日にアンバサダーが三文指揮者へ変貌する、そのご案内をさせて頂きます。呵呵。
実は、私は大学時代、母校の交響楽団で学生指揮者をしておりました。学生指揮者、なんて耳障りがいい様ですが、その本義は単なる練習指揮者、謂わばコレペティトゥーア、詰まる処の「下振り」指揮者…。でも、小さい頃から本格的な音楽教育を経ていない音楽好きが指揮台に立つ様になったのですから、空前絶後の大出世でありましょう。その間は色々と厳しい面もあり、辛かったりしましたが、然し、その魅力へ衝きに憑かれ、結局、5年間も大学に居りましたとさ。呵呵。あれから幾星霜。偶さか指揮棒を持つことはあっても、正式にお客の前で演奏の一端を担うことはありませんでした。
そんな中、懇意にして貰っている大学オケの先輩から、お前さん、指揮しないかい、と誘われたのが去年の師走。否も応もなく、二つ返事のほほいのほいで快諾し、早速、銀座のヤマハ楽器店で演奏曲、モーツアルトの交響曲24番の総譜を購入たのは良いけれど…。天才モーツアルトが17歳にして書いたこの曲は、無垢にして純粋。スコアを読み進める内に
「私の様な凡夫が、この清純な世界を…」
と当惑し、どうやって取り組んだら良いか悩む程でした。そんな中、親愛なる兄弟、浪速のクレイダーマン異、かいやんに相談すると
「そんな事云ったら、だれもモーツアルトを演奏出来なくなるで。アンバサダーやんの演りたい様に演ればええやん」
「そうかね」
「そうやで。処で、アンバサダーやんは燕尾服、持ってるん」
「ないよ」
「だったら、僕の貸そうか」
「いいよ、お前の大切な舞台衣装じゃないか。汚したら申し訳ないし」
「クリーニング屋の息子の癖に、何云ってるの。ははは」
「でもさ」
「兎に角、僕のを送るわ。着られるかな」
数日後、かいやんの燕尾服が届けられました。早速、しっぽが附いた上着を羽織ってみると、不思議な程、ぴったり。流石にズボンは…と思い、諦めていましたが、さっき履いてみたら、あれ、何とかなるじゃない。呵呵。但し、白いチョッキはどうしても駄目で、これは私ので代用することにしました。これで本番はかいやんと一緒に舞台を踏むことになり、百人力、いや、千万の友軍を得た心持ち…怖い物は何もない、だって兄弟がぴったり寄り添って呉れるのですもの。
見掛けだけ整えても、音楽の女神は決して微笑んで呉れません。兎に角、楽譜をどれだけ勉強するかが肝要になります。偉そうな事を言えた義理ではありませんが、楽譜を勉強するという事は、決してそれを暗記する訳ではなく、その過程で如何に『自分の音楽』を創り出せるか、が大切なのだと思います。左右でなければ対峙している曲と自らが同化できなし、就中、左右しなければ40名からなるオーケストラの前に立つ資格なぞない、と私は常に考えています。はっきり云って、一夜漬けの勉強指揮台に立つなんて、奏者に対して無礼極まりない…奏者は楽器を一生懸命に練習をし、指揮者はそれと同じくらい、否、それよりももっと多くの時間を費やして、楽譜と向かい合う。それでこそ、指揮者と奏者ががっぷり四つに組んでの音楽が出来るのです。
目下、本番一週間前。先日の練習後、尊敬する先輩に
「先輩、どうでしょうか」
「うん、いいんじゃないかな。やっとこれでお客に聴いて貰える」
「先輩方のお陰です」
「ははは。でも、入場料位の演奏かは、まだ疑問だけどな。ふふふ」
「どうぞ、お手柔らかに…」
「でも、良くやってるよ、お前は」
普段から、音楽に厳しいその先輩の言を信じ、残り少ない練習に只管邁進あるのみ。
何たってアマチュア楽団ですから、指揮者だからといって指揮者だけやってはいられません。時にはチラシを作り、それを挟み込みに行ったり、チケットをデザインしたり、プログラムを編集したり。確かに骨の折れる事許ですが、これも音楽の神様に振り向いて欲しいその一念と、みんなで良い音楽を演り、美味いお酒を飲みたい、と云う気持ちが私を突き動かしています。
さて、5月2日、幕後のお酒なる味や如何に。
前置きが長く成りましたが、演奏会のご案内を。
日時 2009年5月2日(土・祝) 18時開演
場所 武蔵野市民文化会館小ホール
曲目 モーツアルト作曲 交響曲24番 変ロ長調 Kv182(166c)
バッハ作曲 管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067
フルート・ソロ 源中佐記
モーツアルト作曲 交響曲40番 ト短調 Kv550(第一版)
管弦楽 CMSチェンバーアンサンブル
指揮 尾花勉(24番)・中野英水
※これをご覧の皆様で、この演奏会にお越しになりたい方は全て、漏れなくご招待申し上げます。呵呵。ご 希望の方はお手数ですが
oui-vuitton.paris@tcat.ne.jp(尾花)
へ、お名前とチケットの枚数をお知らせ下さい。当日預かりのチケットをご用意致します。
嗚呼、兄弟姉妹よ。どうかこの三文指揮者の成功を祈っていておくれ。
by yufuin-brothers | 2009-04-28 03:24 | 風の回覧板