寿・丸田家・鈴木家結婚披露宴(その弐)
2007年 04月 18日
兄弟!
結婚式に限らず、司会で一番してはならないのは……そう、
紹介する方の名前を間違えてはならないこと。
なんだい、あいつは。あんな漢字が読めないのかい、なんて馬鹿にされている内
はまだいい。
「こんな野郎に重要な役柄を宛がった主催者は何考えてんだよ」
なんて類焼に及んだら一大事。頭下げて許して貰えりゃいいけど、そうじゃなかっ
たらお出入り差しとめ、なんてことになりかねない。
だから、必ず人の名前には仮名を振る。仮令『山田花子』であってもそうする。何
かの拍子で頭が真っ白になった場合、それを『さんだ・はなし』とも読みかねない。
現に過去、信じられないかも知れないが『島田三郎』を、『きたじま・さぶろう』と読
んで大目玉を食らったことが、俺にはあるからだ(だってさ、この島田さんが余興で
『兄弟仁義』を歌うことになっていたから……言い訳、言い訳。笑)。
さて、この丸田家鈴木家ご両家の結婚式に当り、前日迄に新婦の丸田さんと詳
細な打ち合わせを経、とっても解りやすい台本まで手渡されていた。
そ、それなのに……。
おっと、その修羅場の前に、披露宴のお芽出たい光景をみんなにお届けしましょ
う!写真提供は、勿論この宴に列席された、我等が師、やくぺん先生からです。
多謝。
先ずは主賓、NHK交響楽団主席オーボエ奏者の茂木大輔さんからの祝辞に恐縮
する新郎新婦。写真の左下で微笑んでいるのは、もう一人の主賓、TANのKディレク
ターであります。
披露宴もライブ。時には思いもかけない事が起きる。その処理に会場のボイさんと
相談するアンバサタ。内心はドキドキの癖に、虚勢を張っているのが良く解る(笑)。
金襴緞子の帯しめた、ゆふいんでもお馴染み新婦の鈴木さん。お母様の介添でこ
れからお色直しで中座するところ。
お色直しで和装から洋装にお二人がお着替えになって、いよいよ今宵の目玉、祝
賀演奏という時の新郎新婦の後ろ姿であります。
さて、ここからが大変だったのよ(笑)。
司会としてアンバサタは、祝賀演奏をして下さる、今夜ご列席の超一流演奏家の皆
さんを紹介しなければならないのは周知の通り。
先ず、嚆矢の茂木さん、次の吉野さんのご紹介は難なくクリア。さて、次の松原勝也
&鈴木理恵子御夫妻の演奏となり、先ずは旦那様のご経歴、次に奥様のものになっ
たのっけに
「鈴木恵里子さんは……」
そう、『リエコ』を『エリコ』と遣って仕舞ったのでした。
さぁ大変。司会のレクチャアンプの近くに着座している、音楽関係者の方々から
「ん?エリコ?それじゃ別人じゃねぇか」
「あ、そうだ、いるんだよね、そういう名前のバイオリニスト」
まずい、間違えたと思った瞬間、新郎新婦が立ち上がって、違う、違うと両手を振って
こっちに合図をしている。つかさず
「た、大変失礼致しました。鈴木リエコさんは……」
会場内は、司会者の粗相に新郎新婦が示したリアクションに笑いが起る。これじゃ
いけない、松原御夫妻が演奏出来ない、と咄嗟に思い、必要以上の間をとってお客
さんの静まるのを促した。
そんな事故があっても、流石一流処は違う。何事も起らなかったようにお二人のヴ
ァイオリンからは絵もいわれぬ美音が紬出される。その音を満喫する新郎新婦。
その後、藤森亮一&向山佳絵子御夫妻のチェロ・トリオも満場の拍手にて演奏し終
える。そのちょっとの間をみて、尽かさず松原夫人にお詫びをしにいった。最敬礼する
アンバサタに
「あ、大丈夫ですよ、気になさらないで。普段でも二回に一回は間違えられますから」と、お優しい御言葉を掛けてくださいました。それをうけたアンバサタは心の中で何度
手を合わせたか……。
鈴木理恵子さん、この場を借りまして再度、心よりお詫びいたします。
「ことぶきの鶴と亀との代々を経て、変わらぬ色の常盤なる、松と竹との末かけて、契
りも深き相生の、栄え久しき友白髪」
お二人の末長いお幸せを心からお祈り申し上げつつ、これにてお開きとさせて頂きま
す、と何とか〆の言葉に行きついた。
全てが終り、やくぺん先生に
「先生、やっちまいました」
「あはは、君は鈴木さんに一生頭が上がりませんね」
と、云いつつも帰り際、先生のみならず、先生のお内儀さん共々松原御夫妻に、アン
バサタと一緒になって謝って下さいました。有り難たや、かたじけなやぁぁぁぁぁ。
宴後、新郎新婦が出口で皆さんをお見送り。その際
「丸田さん、おこじょ姉ぇ(新婦のこと也)申し訳ありませんでした」
「あはは、大丈夫、大丈夫。ほんと今日は有り難う!凄くよかったよ!!つか、二次会
はがっつり飲んじゃってね」
色々新郎新婦にはご迷惑をお掛け致しましたが、改めて
何時までもお幸せに!!!
でもでも、何で、あんな間違いしたんだろう、と不思議で仕方なく、日が新たまっ
て、もう一度台本を確認してみた。すると……
な、なんと、自分で用心の為に振ったふりがな自体が『リエコ』となっているじゃありま
せんか!!!
用心もほどほどに、というアンバサタの警句交じりのため息をしながら、丸田家鈴木
家の結婚御披露宴の報告でありました(笑)。
結婚式に限らず、司会で一番してはならないのは……そう、
紹介する方の名前を間違えてはならないこと。
なんだい、あいつは。あんな漢字が読めないのかい、なんて馬鹿にされている内
はまだいい。
「こんな野郎に重要な役柄を宛がった主催者は何考えてんだよ」
なんて類焼に及んだら一大事。頭下げて許して貰えりゃいいけど、そうじゃなかっ
たらお出入り差しとめ、なんてことになりかねない。
だから、必ず人の名前には仮名を振る。仮令『山田花子』であってもそうする。何
かの拍子で頭が真っ白になった場合、それを『さんだ・はなし』とも読みかねない。
現に過去、信じられないかも知れないが『島田三郎』を、『きたじま・さぶろう』と読
んで大目玉を食らったことが、俺にはあるからだ(だってさ、この島田さんが余興で
『兄弟仁義』を歌うことになっていたから……言い訳、言い訳。笑)。
さて、この丸田家鈴木家ご両家の結婚式に当り、前日迄に新婦の丸田さんと詳
細な打ち合わせを経、とっても解りやすい台本まで手渡されていた。
そ、それなのに……。
おっと、その修羅場の前に、披露宴のお芽出たい光景をみんなにお届けしましょ
う!写真提供は、勿論この宴に列席された、我等が師、やくぺん先生からです。
多謝。
先ずは主賓、NHK交響楽団主席オーボエ奏者の茂木大輔さんからの祝辞に恐縮
する新郎新婦。写真の左下で微笑んでいるのは、もう一人の主賓、TANのKディレク
ターであります。
披露宴もライブ。時には思いもかけない事が起きる。その処理に会場のボイさんと
相談するアンバサタ。内心はドキドキの癖に、虚勢を張っているのが良く解る(笑)。
金襴緞子の帯しめた、ゆふいんでもお馴染み新婦の鈴木さん。お母様の介添でこ
れからお色直しで中座するところ。
お色直しで和装から洋装にお二人がお着替えになって、いよいよ今宵の目玉、祝
賀演奏という時の新郎新婦の後ろ姿であります。
さて、ここからが大変だったのよ(笑)。
司会としてアンバサタは、祝賀演奏をして下さる、今夜ご列席の超一流演奏家の皆
さんを紹介しなければならないのは周知の通り。
先ず、嚆矢の茂木さん、次の吉野さんのご紹介は難なくクリア。さて、次の松原勝也
&鈴木理恵子御夫妻の演奏となり、先ずは旦那様のご経歴、次に奥様のものになっ
たのっけに
「鈴木恵里子さんは……」
そう、『リエコ』を『エリコ』と遣って仕舞ったのでした。
さぁ大変。司会のレクチャアンプの近くに着座している、音楽関係者の方々から
「ん?エリコ?それじゃ別人じゃねぇか」
「あ、そうだ、いるんだよね、そういう名前のバイオリニスト」
まずい、間違えたと思った瞬間、新郎新婦が立ち上がって、違う、違うと両手を振って
こっちに合図をしている。つかさず
「た、大変失礼致しました。鈴木リエコさんは……」
会場内は、司会者の粗相に新郎新婦が示したリアクションに笑いが起る。これじゃ
いけない、松原御夫妻が演奏出来ない、と咄嗟に思い、必要以上の間をとってお客
さんの静まるのを促した。
そんな事故があっても、流石一流処は違う。何事も起らなかったようにお二人のヴ
ァイオリンからは絵もいわれぬ美音が紬出される。その音を満喫する新郎新婦。
その後、藤森亮一&向山佳絵子御夫妻のチェロ・トリオも満場の拍手にて演奏し終
える。そのちょっとの間をみて、尽かさず松原夫人にお詫びをしにいった。最敬礼する
アンバサタに
「あ、大丈夫ですよ、気になさらないで。普段でも二回に一回は間違えられますから」と、お優しい御言葉を掛けてくださいました。それをうけたアンバサタは心の中で何度
手を合わせたか……。
鈴木理恵子さん、この場を借りまして再度、心よりお詫びいたします。
「ことぶきの鶴と亀との代々を経て、変わらぬ色の常盤なる、松と竹との末かけて、契
りも深き相生の、栄え久しき友白髪」
お二人の末長いお幸せを心からお祈り申し上げつつ、これにてお開きとさせて頂きま
す、と何とか〆の言葉に行きついた。
全てが終り、やくぺん先生に
「先生、やっちまいました」
「あはは、君は鈴木さんに一生頭が上がりませんね」
と、云いつつも帰り際、先生のみならず、先生のお内儀さん共々松原御夫妻に、アン
バサタと一緒になって謝って下さいました。有り難たや、かたじけなやぁぁぁぁぁ。
宴後、新郎新婦が出口で皆さんをお見送り。その際
「丸田さん、おこじょ姉ぇ(新婦のこと也)申し訳ありませんでした」
「あはは、大丈夫、大丈夫。ほんと今日は有り難う!凄くよかったよ!!つか、二次会
はがっつり飲んじゃってね」
色々新郎新婦にはご迷惑をお掛け致しましたが、改めて
何時までもお幸せに!!!
でもでも、何で、あんな間違いしたんだろう、と不思議で仕方なく、日が新たまっ
て、もう一度台本を確認してみた。すると……
な、なんと、自分で用心の為に振ったふりがな自体が『リエコ』となっているじゃありま
せんか!!!
用心もほどほどに、というアンバサタの警句交じりのため息をしながら、丸田家鈴木
家の結婚御披露宴の報告でありました(笑)。
by yufuin-brothers | 2007-04-18 23:34 | 音楽よもやま話