ゆふいん酩酊記-『玉ちゃん』之章
2008年 09月 09日
兄弟!
米という字を分析すれば、八十八の手間暇懸かる。そのお米から出来るお酒は勿体ないものなのです。
「だから酒などと云ってはいけませんよ、お酒とおっしゃい」
と、酒仙内田百閒はいみじくも曰わく。
忝なくも有難いお酒は大昔、中国の儀狄(ぎてき)と云うお節介が初めて拵えた。それを口にした兎王は「こりゃ旨い。然し、後の時代になったら、これが為に国を滅ぼす様な者が出て来るぞ、この不埒者めが」と大小言。とうとう儀狄先生はその土地から遠ざけられて仕舞ったそうな。旨さ余って憎さ百倍、といった処だろうか。
お酒は憂いを払う玉箒。一口の飲めば借金取りも鶯の声。ほうほけきょうと燕宴に木霊する一座は春爛漫、百華繽粉の大賑い。斯くの如く天なる美禄の恩徳に預かるゆふいん兄弟姉妹が佳酔に游ぶ楽郷をばお目に懸けましょう。
時正に音楽祭も無事終了した葉月廿五日。K下さんのお招きで酒家『玉ちゃん』でお疲れ様の杯を挙げました。先ず、その御膳に並んだ海山の御馳走をご覧あれ。
先付けは地物のトマトが瑞々しいパスタサラダ。
お継ぎは旬のゴーヤの油味噌。ほろ苦い夏の雅味に玉味噌と胡麻油の塩梅が絶妙です。
お造りは新鮮な魬と甘海老。流石は大分、名産のかぼすが添えてあります。
湯布院産玉蜀黍と三つ葉の掻き揚げ。これが大牢の滋味でして、余所では味わえない湯布院の夏の風物詩。素材の良さに納得させられる逸品也。ミエコ様は今でもその美味しさを語り草にして居る位です。
豊後名物、ご存じ鶏天。酢醤油と芥子で頂きますがこれが又とても相性が宜しい。湯布院で何度か頂きましたが、此所『玉ちゃん』のが一番美味しかった様な気がします。鶏がとても柔らかく、歯を入れた瞬間に口中に染み出す旨みが、鑿手に一層の景気を附けてくれました。
佳肴と銘酒から湧き出る杯間の話は止まる処を知らず。難しい顔をしているな、と思えば俄に哄笑が起こる。そんな兄弟姉妹達。
左の横顔は甲斐やんで、おーちゃわ、NONちゃん、K太兄貴。嗚呼、皆の衆。我等が長男K太兄貴の舌端に何をか想わん……然し、おーちゃわは随分血色がいいですな。最近、煙草を止めて酒量が増した、なぞと云って居ったから屹度随分手を上げたのでしょう。呵呵。
銘々が酒精反応を示し始めた頃、象書家のなっちゃんとツネ吉妃殿下がご着到。お酒の余徳のお陰様、初めましてのなっちゃんと東都のお二人が瞬く間にこんなに仲良しに。呵呵。
お腹は出来たし、呼び水は充分。それに妃殿下の着陣で将星も綺羅を極めた。
「じゃぁ行きましょうか。K雄さんが待ってます」
どうも御馳走様でした、とK下さんと玉ちゃんの大将に御礼を言い、由布院駅前、お馴染みの名店『焼き鳥みっちゃん』迄の御輿の渡御、酔っぱらいの御練りと相成った。
盆地を囲む山隈を月明かりが遍く照らし、戦ぐ涼風が兄弟姉妹の赤ら顔をそっと撫でて行く。街中と雖、一寸耳を澄ませば虫の声。ゆったりのんびり酒興の誘う儘にそぞろ歩く兄弟姉妹達でありました。
是から湯布院の夜は佳境を迎えます。なんたって手拭い一本でみんな大変身するのでありますよ。呵呵。そのご趣向は又明日。さて、あっしは晩酌に精を出すことにいたしやしょ。
米という字を分析すれば、八十八の手間暇懸かる。そのお米から出来るお酒は勿体ないものなのです。
「だから酒などと云ってはいけませんよ、お酒とおっしゃい」
と、酒仙内田百閒はいみじくも曰わく。
忝なくも有難いお酒は大昔、中国の儀狄(ぎてき)と云うお節介が初めて拵えた。それを口にした兎王は「こりゃ旨い。然し、後の時代になったら、これが為に国を滅ぼす様な者が出て来るぞ、この不埒者めが」と大小言。とうとう儀狄先生はその土地から遠ざけられて仕舞ったそうな。旨さ余って憎さ百倍、といった処だろうか。
お酒は憂いを払う玉箒。一口の飲めば借金取りも鶯の声。ほうほけきょうと燕宴に木霊する一座は春爛漫、百華繽粉の大賑い。斯くの如く天なる美禄の恩徳に預かるゆふいん兄弟姉妹が佳酔に游ぶ楽郷をばお目に懸けましょう。
時正に音楽祭も無事終了した葉月廿五日。K下さんのお招きで酒家『玉ちゃん』でお疲れ様の杯を挙げました。先ず、その御膳に並んだ海山の御馳走をご覧あれ。
先付けは地物のトマトが瑞々しいパスタサラダ。
お継ぎは旬のゴーヤの油味噌。ほろ苦い夏の雅味に玉味噌と胡麻油の塩梅が絶妙です。
お造りは新鮮な魬と甘海老。流石は大分、名産のかぼすが添えてあります。
湯布院産玉蜀黍と三つ葉の掻き揚げ。これが大牢の滋味でして、余所では味わえない湯布院の夏の風物詩。素材の良さに納得させられる逸品也。ミエコ様は今でもその美味しさを語り草にして居る位です。
豊後名物、ご存じ鶏天。酢醤油と芥子で頂きますがこれが又とても相性が宜しい。湯布院で何度か頂きましたが、此所『玉ちゃん』のが一番美味しかった様な気がします。鶏がとても柔らかく、歯を入れた瞬間に口中に染み出す旨みが、鑿手に一層の景気を附けてくれました。
佳肴と銘酒から湧き出る杯間の話は止まる処を知らず。難しい顔をしているな、と思えば俄に哄笑が起こる。そんな兄弟姉妹達。
左の横顔は甲斐やんで、おーちゃわ、NONちゃん、K太兄貴。嗚呼、皆の衆。我等が長男K太兄貴の舌端に何をか想わん……然し、おーちゃわは随分血色がいいですな。最近、煙草を止めて酒量が増した、なぞと云って居ったから屹度随分手を上げたのでしょう。呵呵。
銘々が酒精反応を示し始めた頃、象書家のなっちゃんとツネ吉妃殿下がご着到。お酒の余徳のお陰様、初めましてのなっちゃんと東都のお二人が瞬く間にこんなに仲良しに。呵呵。
お腹は出来たし、呼び水は充分。それに妃殿下の着陣で将星も綺羅を極めた。
「じゃぁ行きましょうか。K雄さんが待ってます」
どうも御馳走様でした、とK下さんと玉ちゃんの大将に御礼を言い、由布院駅前、お馴染みの名店『焼き鳥みっちゃん』迄の御輿の渡御、酔っぱらいの御練りと相成った。
盆地を囲む山隈を月明かりが遍く照らし、戦ぐ涼風が兄弟姉妹の赤ら顔をそっと撫でて行く。街中と雖、一寸耳を澄ませば虫の声。ゆったりのんびり酒興の誘う儘にそぞろ歩く兄弟姉妹達でありました。
是から湯布院の夜は佳境を迎えます。なんたって手拭い一本でみんな大変身するのでありますよ。呵呵。そのご趣向は又明日。さて、あっしは晩酌に精を出すことにいたしやしょ。
by yufuin-brothers | 2008-09-09 22:45 | ゆふいん音楽祭特集